土浦にて

2023年03月04日

土浦市にある県立病院で臨床検査技師として働く橋本晃司は、30代の男性だった。幼少期から医療に興味を持ち、大学で臨床検査技師の資格を取得し、この病院に就職した。

晃司は、毎日患者さんから送られてくる検体を分析する仕事をしていた。血液検査や尿検査、微生物検査など、数多くの検査に携わっていたが、最もやりがいを感じるのは、病気の診断につながる検査結果を出すことだった。

しかし、近年は検査機器が進化し、自動化されていく中で、手作業での分析作業が少なくなっていった。晃司は自分の役割について考えることが増え、苦悩するようになった。

ある日、病院内で偶然出会った同期の看護師・美香と話をする中で、彼女から「臨床検査技師の仕事は、検査結果を出すだけでなく、患者さんの健康管理にも貢献しているんじゃない?」という言葉を聞かされた。

晃司は、自分の仕事の意義を再認識し、新たなやりがいを感じるようになった。患者さんが検査を受け、その結果に基づいて治療が始まり、健康になっていく姿を見ることができることに感謝し、日々の仕事に取り組んでいた。

そんなある日、病院内でウイルス感染が発生し、大量の検体が一気にやってきた。晃司は、自分たち臨床検査技師の役割が大きいことを再確認し、他のスタッフとともに夜遅くまで働いた。

その結果、早期に感染者を見つけ、治療を始めることができ、感染拡大を防ぐことができた。晃司は、自分たちが患者さんの健康に直接貢献することができたことを実感し、充実した気持ちで帰路についた。