つくばにて
つくば市にある研究所で臨床検査技師として働く、30代の男性・高橋秀樹は、科学に興味を持つ人物だった。学生時代から化学や生物学に興味を持ち、臨床検査技師の仕事に就いたことで、自分の興味を追求しながら仕事ができる環境に恵まれたことを喜んでいた。
高橋は、研究所での業務に専念していた。新しい医療技術や機器の開発に関わったり、研究者たちと共に実験を行ったりする日々を送っていた。時には、研究発表会に出席することもあり、高橋自身が関わった研究成果を発表することもあった。
しかし、一方で高橋は、自分が研究に関わることで、患者さんたちの命を守ることにも貢献しているということを常に意識していた。研究所の仲間たちとのやり取りや、患者さんからの感謝の言葉を聞くことで、自分がしている仕事が意味のあるものであることを実感していた。
また、高橋は、自分が関わる研究や実験の内容が医療現場で役立てられていることを知ることで、より一層仕事に情熱を注ぐようになった。そのため、仕事が忙しくても、研究に専念することができ、成果を上げることができた。
ある日、高橋は、新しい研究プロジェクトに関わることになった。新たな分野の研究で、高橋自身もまだ詳しくない分野だったが、高橋は新しい挑戦に興奮していた。プロジェクトが始まってからは、研究者たちとの議論や実験の中で、新しい発見やアイデアが生まれていく中で、高橋自身も研究のスキルを磨くことができた。
そんな中、ある日彼は研究所の先輩からある話を聞かされることになった。
「お前、最近の研究はどうだ?」
「まあ、順調に進んでいますよ。でも、まだまだ試行錯誤の段階ですね」
「そうか。俺たちの研究室でも、以前ある発見があったんだ」
「発見?何ですかそれ?」
「脳に直接音声を送り込む装置を作り出したんだ。実際に試してみたら、その人は聞こえないはずの音声を聞いていたっていうんだ」
「それはすごいですね。でも、どうしてそれを開発したんですか?」
「まあ、さまざまな目的があってな。実験の被験者を気絶させることなく、効率的に脳波を計測したり、外部から直接命令を送り込んで操作することができるようになるんだ」
彼は興味津々で話を聞いていたが、同時にその技術の恐ろしさを感じた。人間の脳に直接干渉することは、その人の意思を奪ってしまうかもしれない。しかし、彼はそれでもその技術に興味を持ち、開発に参加することに決めた。
彼は先輩たちと協力して、新しい装置の開発に取り組んだ。研究室では夜遅くまで作業が続き、時には週末も働くこともあった。しかし、彼はその厳しい環境の中でも、研究に没頭していた。
そして、数か月後、ついにその装置が完成した。彼は自分たちの開発した装置を使い、自分自身に試してみることにした。
装置を装着すると、彼の頭に軽い刺激が走った。そして、次の瞬間、彼の耳に聞こえたのは、まるで宇宙船のコックピットから聞こえるような音声だった。
「これはすごい!」
彼は思わず叫んでしまった。彼の周りの世界は、すべてその音声に包まれていた。
彼は自分が開発した技術の可能性に魅了され、ますます研究に没頭していった