組織学的検査の種類と手順


組織学的検査の種類

日本の臨床検査技師が行う組織学的検査には、以下のような種類があります。


組織診断:

病理検査により、組織や細胞の形態学的な異常を観察し、病変の種類や性質、進行度などを診断します。


免疫組織化学:

抗体と抗原の反応を利用し、組織内のタンパク質を特定して観察することで、細胞の種類や分化の程度、病変の性質などを評価します。


分子病理学:

DNA、RNA、タンパク質などの分子レベルでの異常を検出することで、病変の性質や進行度を評価します。


細胞診断:

細胞を採取して、形態学的な観察や染色により、細胞の種類や異常を診断します。主にがん細胞の診断に用いられます。



組織学的検査のステップ

臨床検査技師が行う組織学的検査は、病理診断のための重要な検査です。以下は、組織学的検査の一般的なステップです。


検体の受け取りと処理: 

組織学的検査では、切除された生体組織や細胞を検査します。技師は検体を受け取り、処理の前に固定剤で固定し、その後、適切な方法で処理します。


切片の作成: 

処理された組織サンプルは、薄く切られた切片になります。技師は、スライド用の特別なガラスにサンプルを配置し、切断機を使用して薄く切ります。


染色: 

切片は、目的に応じて異なる種類の染色剤を使用して染色されます。これにより、細胞の形態や組織の構造が視覚的に明確になります。


観察と評価: 

染色された切片は、専門家の病理医によって顕微鏡で観察され、評価されます。組織や細胞の形態、構造、染色能力などの特徴を評価し、病理診断に役立てます。


報告書の作成: 

技師は、評価結果を報告書にまとめ、病院の医師や医療スタッフに提供します。報告書には、検査の目的、結果、病理診断などが含まれます。


組織学的検査は、がんなどの疾患の診断に重要な役割を果たしています。技師は、検体の受け取りから報告書の作成まで、細心の注意を払って作業を行い、正確な結果を提供することが求められます。


組織学的検査の実施手順(詳細)

臨床検査技師が行う組織学的検査は、組織や細胞の形態や機能を観察する検査であり、以下のようなステップで実施されます。


採取した生検材料を処理する

組織学的検査は、生体組織を採取して固定し、切片にして染色することで細胞や組織の形態を観察します。まず、採取した生検材料を処理し、適切な厚さの切片にするために固定液に浸します。


切片を染色する

切片を染色することで、細胞や組織の構造や機能が観察できるようになります。通常は、ヘマトキシリンとエオジンと呼ばれる染料を使い、核を青く、細胞質をピンク色に染めます。


切片を観察する

染色された切片を顕微鏡で観察し、組織や細胞の形態や機能を評価します。この時、検査技師は、組織や細胞の異常を見つけ、病気の診断や治療法の決定に役立てます。


診断書を作成する

観察した結果をもとに、検査技師は診断書を作成します。診断書は、検査結果とともに医師に提出され、病気の診断や治療法の決定に役立てられます。


以上が、臨床検査技師が行う組織学的検査のステップになります。