免疫学的検査の種類と手順


免疫学的検査の種類

臨床検査技師が行う免疫学的検査には、以下のような種類があります。

免疫測定法:

特定の抗原や抗体を測定する方法で、例えばエイズや肝炎などの感染症や腫瘍マーカーの検査に利用されます。


免疫沈降反応:

免疫反応を利用して、特定の物質を沈降させることによって検出する方法で、リウマチや膠原病などの自己免疫疾患の診断に利用されます。


免疫染色法:

特定の抗原や抗体を染色することによって検出する方法で、がんの診断に利用されます。


免疫電気泳法:

電気泳動を利用して、タンパク質の分離や同定を行う方法で、血漿蛋白の異常やアルブミンなどの検査に利用されます。


免疫柱クロマトグラフィー法:

特定の抗原や抗体を柱に固定し、それらと反応する試料成分を分離する方法で、急性インフルエンザの診断などに利用されます。


これらの検査は、免疫学的な反応を利用して、特定の物質や疾患を検出することができます。


免疫学的検査のステップ

臨床検査技師が行う免疫学的検査には、以下のようなステップがあります。

患者さんの状態確認

免疫学的検査を行う前に、患者さんの状態を確認します。患者さんが何らかの疾患を抱えている場合は、免疫学的検査に支障がないかを確認し、必要に応じて医師と相談します。


検体採取器具の準備

免疫学的検査に必要な検体採取器具を準備します。一般的には、血液を採取するための針やチューブが使用されます。使用する器具が滅菌されていることを確認します。


検体採取方法の確認

免疫学的検査の種類によって異なるため、検体採取方法を確認します。一般的には、採血の前に患者さんの腕を消毒し、採血部位を確認します。また、一部の検査では、患者さんが絶食した状態で採血を行う必要がある場合があります。


検体採取の実施

免疫学的検査を実施します。針を使って静脈から血液を採取し、適切なチューブに入れます。一般的には、1回の採血で数mL程度の血液を採取します。


検体の処理

免疫学的検査では、検体を適切に処理して分析します。一般的には、採血後すぐに血液を遠心分離し、血漿または血清を得ます。また、適切な試薬を用いて、免疫学的な反応を引き起こすための抗原や抗体を検出するための処理を行います。検体処理の過程で、一部の検査では、検体を洗浄したり、適切な濃度に希釈したりする必要があります。


免疫学的検査の実施

免疫学的検査は、患者の血液、尿、唾液などから試料を採取し、免疫学的な反応を利用して検査を行います。具体的には、抗体や抗原の測定や、免疫染色法による細胞の検出、免疫測定装置を用いた自動化された検査などがあります。臨床検査技師は、正確な結果を得るために検体の取り扱いに細心の注意を払い、検査結果の解析・報告を行います。



免疫学的検査の実施手順(詳細)

臨床検査技師が行う免疫学的検査の実施には、以下のようなステップがあります。


検体の準備

免疫学的検査を行う前に、検体を適切に処理します。一般的には、採血後に血液を遠心分離し、血漿または血清を得ます。また、尿などの他の検体を処理する場合には、適切な処理方法に従います。


試薬の準備

免疫学的検査には、抗原や抗体を検出するための試薬が必要です。臨床検査技師は、試薬を準備するための手順に従い、正確な量を用意します。


免疫学的反応の実施

免疫学的検査では、試薬を検体に加え、適切な時間と条件で反応を行います。これにより、抗原や抗体が検出され、その量が定量化されます。一般的には、ELISAやラジオアレグザイ、ウエスタンブロッティングなどの技術が使用されます。反応後、試薬と検体の混合物を適切な方法で洗浄し、余分な試薬や不純物を取り除きます。


計測・解析

免疫学的検査の最後のステップでは、測定器を使用して反応物の量を測定します。反応物の量は、吸光度や放射性濃度、蛍光強度などの指標に基づいて測定されます。測定器によっては、光学的、電気化学的、放射性の測定法があります。臨床検査技師は、測定器の操作や結果の解釈に熟練している必要があります。


結果の判断

免疫学的検査の結果を解釈し、適切な報告書を作成します。報告書には、検査結果の数字や単位、正常値と比較した結果、解釈やコメントが含まれます。また、検査結果が異常である場合には、その異常値に基づく分析が行われます。